今回は原油ついて分かりやすく解説します。
原油とは?
暴落したらどうなるの?
価格はどうやって決まるの?
経済や株式、生活への影響はあるの?
原油についての予備知識
それが沢山ある所が油田で、陸と海の両方から採掘できる。
採掘した物が原油で、精製して製品になった物が石油である。
油田・・・地下深くにあり人間がエネルギーとして使える物がいっぱい溜まっている所
原油・・・油田から採掘した加工前の物
石油・・・原油から精製して出来た製品(ガソリン、ガス、石油等)
原油の世界生産量ランキング
2.サウジアラビア
3.ロシア
4.カナダ
5.イラン
6.イラク
7.アラブ首長国連邦
8.中華人民共和国
9.クウェート
10.ブラジル
外務省 世界のいろいろ雑学ランキング 1日あたりの原油の生産量の多い国
原油と言えば中東のイメージが強いので『アメリカの1位は意外』と思った方もいるのではないでしょうか?元々はサウジアラビアとロシアの2強でした。しかしここ数年でアメリカが一気に1位になりました。その理由はシェール革命です。これは『新しい原油の採掘方法を見つけたよ』と言うものです。
簡単に説明すると地下に埋まっている岩を水圧で砕いて、その隙間から原油を吸い上げる方法です。この方法で採掘した原油をシェールオイルと言いアメリカだけ採掘方法が違います。
ちなみに原油はバレルと言う単位で表記されます。(バレルは樽のことで1バレルは約159リットル)
原油価格はどう決まるのか?
OPEC(石油輸出国機構)+ ロシアが供給(生産量)を話し合いで決めて価格を調整しています。最近はコロナウイルスの影響でステイホームとなり車や飛行機、鉄道の需要不足で使用量が減るだろうとの予想からサウジアラビアが減産しましょうと提案。供給量を減らして価格を保とうとしました。しかしロシアがこの提案を拒否。ロシアと対立関係にあるアメリカの企業が儲かる可能性があるからと言うのが理由です。そしたらサウジアラビアがそれならうちは増産しますと発表しました。これによってロシアが従うようになると思っていたけど、そうでも無いぞという混乱がおきて需給バランスが崩れて供給が過度になると言う予想から原油価格が暴落したことがありました。
原油価格が暴落するとどのような影響がある?
個人単位ではガソリン代が安くなるというメリットがあります。アメリカ、中国、インド、日本は原油の使用量が多いので恩恵をうけます。日本はほぼ輸入に頼っているので恩恵は大きくなります。ちなみに日本にも油田があります。新潟県、秋田県、北海道で採掘しています。でも自給率は1%未満なので99%以上は海外に頼っています。
国単位でみるとデメリットもあります。アメリカはシェールオイル企業が沢山あるので大きく業績に影響します。中堅企業の経営破綻も出てきています。原油価格暴落が原因です。今後も産業や雇用に大きなダメージを与える可能性があります。つまりアメリカにとってマイナスになると言うことです。アメリカがダメージを受けるとそれにともなって日本もダメージを受ける事になるので注意が必要です。
今後の見通し
今の原油価格は、約40ドルで数ヶ月前に比べると徐々に上昇しています。(WTI原油先物価格を指標としている)少し前に史上初のマイナス価格(原油先物6月分)をつけてニュースにもなりました。40ドルは生産国にもよりますが、利益が出ない価格と言われています。だいたい50ドル前後が各国の損益分岐点だと経済誌等が分析しています。
今の価格のままだと赤字なので生産国は価格を上げたいと思っています。なので4月に生産国(OPECとロシア 仲介はアメリカのトランプ大統領)で話し合いがなされました。減産しましょう。供給量を減らしましょう。と言う事で各国が合意しました。ただ現状は、減産して供給量を減らしてもコロナウイルスの影響で需要の減少が激しくなっている為、原油価格が上昇しにくい状態です。
このまま1年、2年と自粛状態がつづくと減産しても使いきれないと言う事になります。今後も世界におけるコロナウイルスの影響と生活の戻り具合、原油と経済のニュースにも注目していく事が大切です。
これで原油と経済の世界情勢についての解説を終わります。
興味のある方は、いろいろと調べてみて下さい。
以上、参考になれば嬉しいです。
ありがとうございました。